「速く振ればヘッドスピードが上がって遠くまで飛ぶはず」
そう思っていた私が、ある日女子プロのゴルフ中継を観ていて気づいたのは、ボールは強く遠くまで飛ぶのに、女子プロゴルファーのスイングは、選手によってかなりゆっくり振るスイングであるということでした。
宮里藍選手のバックスイングは特徴的なほどゆっくり振るスイングです。
練習中に真似をしてみると、腕がバックスイングからトップスイングまで耐えられません。
やってみるととても難しいことがわかります。
ゆっくり振っても飛距離があるのは、ヘッドスピードよりもミート率の高さに理由があります。
ゆっくり振ることで、クラブのフェースコントロールが安定するので、ミート率が上がります。
ミート率が上がると飛距離も伸びるので、ゴルフ場でのラウンドが楽しくなることでしょう。
たくさん練習して、ぜひゆっくり振るコツを体得してゴルフを楽しみましょう。
今回は「ゴルフが上達するゆっくり振ることを意識した練習方法」をご紹介します。
1.ゆっくり振る利点
ゆっくりとしたスイングは、軌道が安定します。
軌道が安定すると、きちんとフェースのスイートスポットにボールがインパクトできるので、球筋も安定し、しっかりまっすぐに飛びます。
また、速く振ると体重移動もその速さに合わせて、同じくらい速くできないといけないのですが、ゆっくり振るので体重移動が楽になり、より力強いスイングとなります。
結果、ヘッドスピードも上がります。
ボールの飛びに必要なことは、正しい入射角・ヘッドスピードが挙げられますが、ゆっくり振ることで格段にこれらが上達します。
2.とにかくゆっくり振ってみましょう
練習ではゆっくり振ること意識しすぎて、ガクガクと固くならないように注意しましょう。
私もゆっくり振ろうとして全ての動きがぎこちなくなって失敗したことがあります。
硬いシャフトを使っている場合もやりにくいかもしれません。いつもより柔ないシャフトのクラブを使って、ゆっくり振る練習をしてみましょう。
3.柔らかいシャフトのクラブで練習してみよう
できればこの練習は、柔らかいシャフトのクラブをお勧めします。特に硬いシャフトでガンガンに振り切っていた方には、目から鱗の練習です。
私もそうですが、硬いクラブで振り切れば、強い球が出る気がしますが、実はその逆。
この柔らかいシャフトのグリップをゆっくり振ると体の動きと同調し、シャフトがしなります。
そうすることで遠心力が生まれます。インパクトの寸前で、シャフトのしなりが戻り、ヘッドスピードがここで加速します。
このため、直進性の高い強いボールが飛びます。
4.一番意識すべき場所はグリップ
実はこのゆっくり振る、というのはグリップが一番のポイントになります。
一番意識すべき場所はグリップです。
ゆっくり振るにはグリップも柔らかく持たなくてはいけません。
鞭のようにしならせて振る感じです。
グリップを柔らかく持つことができれば、先述した通り、ヘッドスピードも上がります。
「ゆっくり振る」というのは、お手持ちのクラブの性能をしっかり使うという意味もあります。
シャフトのしなりをうまく使えば、ご自身が振る力以上にクラブが仕事をして、低い弾道の力強いボールが飛ぶようになります。
ゴルフのクラブは現在では様々な形状と素材でバリエーションが豊富ですが、簡単に言ってしまうと、強く速くまっすぐ飛ぶボールが出るように、各ゴルフメーカーの工夫が凝らされています。
その中でも自分の振り方や体格、特性に合ったクラブを選んでいくのですが、速く振り切れる、とにかく重いクラブがいい、と思っていらっしゃった方は、
今回の練習メニューを考慮すると、今まで自分が選ばなかったクラブが候補に上がってくるかもしれません。
ゴルフ練習場によってはレンタル用クラブなどがあるので、これらを利用して、ぜひゆっくり振る練習を取り入れてみてください。