ゴルフスイングにはリード側の股関節を内側に回旋させる運動、いわゆる腰を切ることがとても重要となります。
この股関節の内旋運動が制限される方は左足のつま先を外に向けることでスムーズに振り抜くことができます。
ゴルフスイングに重要な左足の向きについて解説します。
1.ゴルフスイングと股関節の可動域
ゴルフスイングはリード側(右利きゴルファーの左側)にボールを運ぶスポーツであり、足の先から頭までをリード側に向かって順序良く捻る必要があります。
ただし、床反力を直接受ける左足に関しては、運動の支点となる必要があり、なるべく接地面の向きを変えないようにすることが重要となります。
そこで床面との摩擦力を最大限に利用するためには左足で強く踏み込み、足底圧を強くする必要があります。
足から伝わる力は順に膝関節、股関節を回旋させます。
膝関節は伸びきっていれば回旋しませんが、90度に曲げていると大きな回旋可動域を有します。
ゴルフでは軽く曲げた状態を保持するため、膝関節はわずかに回旋します。
膝に痛みや不安定性があり、回旋させたくないという方は先に伸ばし切ってから振り下ろすことでストレスを軽減することができます。
股関節に関しては最大限の内旋可動域が必要です。
この股関節の内旋こそが、いわゆる腰(骨盤)を切る運動です。
骨盤がリード側に向くことで、骨盤と胸郭の捻転差(X-factor)が最大となり、大きな飛距離を生み出すことができます。
そのため、股関節の内旋可動域はなるべく大きく必要となります。
股関節のストレッチが上達の秘訣といえます。
2.左足の向きを一定にして再現性を高める
床反力を利用した股関節の内旋運動でゴルフスイングができるようになると、今度は再現性が重要となります。
股関節の内旋可動域は最大域まで必要ですが可動域の少ない方が無理に回旋をしても股関節を痛めるだけです。
通常股関節の内旋可動域は45度から60度程度ですが、股関節の形状に個人差があるため、極端に少ない方もみえます。
そうした方はあらかじめ左足のつま先の向きを外側にしておくことをオススメします。
アドレスの時点で股関節がやや外旋位(外側への回旋)となり、テイクバックで外旋角度が大きくなることにより内旋運動を大きくすることができます。
ここで問題になることは、外側なら外側に、つま先の向きをいつも同じ方向に向けておくことです。
逆に、正面を向けたままの方は、いつも正面を向けたようにアドレスを取る必要があります。
各関節には位置覚と運動覚という感覚があります。
これは関節がどれくらい曲がっているのか、関節がどれくらい動いたのかという感覚です。
意識的には分かりませんが、痛覚や触覚と同じようにちゃんと情報を脳に送っています。
この感覚によってスイングの再現性は比較的高く保たれます。
つまり、つま先の向きを変えることによって、股関節の位置や運動が変わってしまうことでエラーが起こり、ミスにつながります。
そのため、股関節の内旋制限のある方はいつも同じ角度だけつま先を外側に向ける必要があるということです。
アドレスの形をしっかり整えることで上達を目指しましょう。