明らかに中年男性よりも腕力の少ない女子プロゴルファーの方が遠くまでボールを飛ばすことができています。

柔軟なクラブとミート率の高さはもちろんのこと、体幹の捻転差にも大きな差があります。

特に女子プロゴルファーは男子プロのスイングに比べて、体幹の捻転差を活かして飛距離を伸ばしているようです。


1.飛距離に関係する体幹の捻転差

全身の筋力の指標となる握力を計測してみても、女子プロゴルファーよりも中年男性の方が明らかに強いことが考えられます。

重い物を持つのも中年男性の方が得意でしょう。

ただし、ドライバーの飛距離をみてみると、アマチュアゴルファーの男性よりも女子プロゴルファーの方が圧倒的に飛ばすことができます。

これには、クラブを最適化していることや、スイング技術によりミート率が高いことが考えられますが、ヘッドスピードも速いことが挙げられます。

力のない女性がなぜクラブを速く振ることができるのかというと、腕力ではなく、体幹の捻転差を活かしているからといえます。

2008年に報告された研究によると、男子プロに比べ女子プロは骨盤の回旋角度が大きいが肘や手関節の角速度は遅いということでした。

これは腕力を体幹の回旋で補っている証拠といえます。

男子プロでもアマチュアに比べれば骨盤の回旋角度は十分に大きいことが考えられますから、男子アマと女子プロを比較すれば、もっと大きな差があることが予想されます。

骨盤の回旋角度を大きくして、体幹の捻転差が大きくなればヘッドスピードが速くなります。

飛距離の三要素はボール初速、スピン量、打ち出し角度ですが、ヘッドスピードが速ければボール初速が速くなり飛距離を伸ばすことができます。

体幹の捻転差を増大すればゴルフスイングが上達する可能性があります。


2.体幹の捻転差をゴルフスイング練習で作る

体幹の捻転差が女子プロゴルファーの飛距離の秘密であることは分かりましたが、どのようにすれば捻転差が大きくなるのでしょうか。

やはりストレッチを習慣的に行うことが効果的ですが、ストレッチが苦手で、家では何もしたくないという方が多いかと思います。

そんな方はゴルフスイング練習で可動域を増やすことをオススメします。

そもそも、ゴルフスイングは体幹回旋可動域を増大させる効果的なストレッチといえます。

反動を使って身体を捻じっているので、素振りをするだけでも必要な筋肉がストレッチされています。

ただし、身体を捻じらないように癖のついたスイングでは意味がありません。

効果的な方法としては、下半身の力を使って上半身はつられて動くようなイメージで連続スイングをすることが挙げられます。

右にも左にも連続的にスイングを繰り返し、上半身が右を向いたら下半身は左を向き、上半身が左を向いたら下半身を右に向けるということを繰り返します。

腕は確実に脱力することが求められます。

実際のゴルフスイングもこのようなイメージで打てると上達が期待できます。