ゴルフは体幹のスポーツと言われますが、体幹と言えば腹筋です。

腹筋と言うとシックスパックをイメージされる方が多いと思いますが、これは腹直筋(ふくちょくきん)のことで、他にも腹斜筋(ふくしゃきん)、腹横筋(ふくおうきん)があります。

ゴルフでは腹直筋よりも腹斜筋や腹横筋が重要となります。


1.ゴルフスイングに重要な腹筋

腹筋と言えば体脂肪の少ない方がポコポコと6つから8つに割れる腹直筋が有名です。

腹筋には、他にも腹斜筋、腹横筋があります。

腹斜筋は左右の脇腹にあり、体脂肪の少ない方は斜めにラインが入っています。

腹斜筋は2層になっており、表層を外腹斜筋、深層を内腹斜筋といいます。

体幹を回旋させる役割があり、例えば左に回旋する場合、右の外腹斜筋と左の内腹斜筋が働きます。

内腹斜筋のさらに深層には、腹横筋があります。

腹横筋はコアマッスルの一つで、お腹を凹ませる役割があり、体幹を安定させるのに重要です。

例えば、手を挙げるという動作をみても、腕を持ち上げる筋肉に先行して腹横筋が働き、土台となる体幹を安定させます。

ゴルフスイングは体幹を回旋させるスポーツであるため、腹直筋よりも腹斜筋が重要といえます。

もちろん体幹の安定性に貢献する腹横筋は必要不可欠な存在です。

腹筋を正しく使って上達を目指しましょう。


2.ゴルフスイングの腹筋の使い方

テイクバックで体幹を右の回旋させるためには、まず腹横筋が働いて体幹を安定させ、左の外腹斜筋と右の内腹斜筋、広背筋(こうはいきん)が働きます。

次にダウンスイング初期は、骨盤こそ左に回旋しますが、体幹はまだ右回旋しており、むしろ捻転を大きくするために緊張を維持しています。

ダウンスイング後期になると反射的に体幹が左回旋を始めます。

右の外腹斜筋と、左の内腹斜筋、広背筋が働きます。

同時に右肘が伸びインパクトを向かえ、フォロースルーからフィニッシュにかけてはブレーキをかけるために体幹を右回旋する筋群、つまり左の外腹斜筋と右の内腹斜筋、広背筋が働きます。

筋肉は急激に伸ばされると縮むという伸張反射が働くため、最初の動作であるテイクバック以外はさほど意識する必要がありません。

ただし、これらの筋力があればあるほど強く体幹を回旋させることができます。

体幹の回旋が強ければ、自然に捻転差も大きくなり、体幹回旋速度も速くなるため、ヘッドスピードの増大、飛距離の増大が見込めます。

実際に、メディシンボールを椅子に座った状態から、体幹の回旋を使って遠くまで投げるボールスローというエクササイズを行うことで、ドライバーの飛距離が伸びたという報告もあります。

ちなみに、垂直跳びとしゃがみ込みを繰り返し行うスクワットジャンプというエクササイズでも同様にドライバーの飛距離が伸びたと報告されています。

これは腹筋というよりも下半身の筋力が増大したことが要因と考えられます。

コツコツ腹横筋や腹斜筋などの腹筋群と下半身を鍛えることでゴルフスイングも上達することが期待できます。