ゴルフスイングの軸というと体幹や股関節などがよくピックアップされますが、ニュートンの運動三法則のひとつである作用反作用の法則からすれば、最も重要な部位は足であることが考えられます。
いくら体幹を鍛え上げたとしても、力の発揮には床反力が無ければ全く意味がありません。
床反力を上手く利用するために、正しい足の使い方を解説します。
1. 重力を意識したゴルフスイング
生まれたときから地球という環境で重力に晒されている私たちは、普段の生活で重力を意識することはありません。
しかし、確実に重力という負荷を受けて日常のあらゆる動作を行っています。
むしろ、重力を上手く利用することで歩いたり、走ったり、寝転んだりすることができています。
ゴルフも同じで、重力が無ければ存在しないスポーツですし、ゴルフスイングという動作も行うことができません。
身体を動かす上では重力を上手く利用する必要があります。
ゴルフスイングにおいて、重力を効率よく使うために最も重要な部位は足底面になります。
身体にかかる重みは全て両方の足底面にかかります。
ニュートンの運動三法則のひとつである作用反作用の法則からすると、その重みは全く同じ力で床面から押し返されています。
その力を利用することでクラブを速く振り、しならせることができ、はじめてボールを遠くまで飛ばすことができます。
ただし、スイングの軸がブレたり無駄な動きが多かったりすると、ボールには最大限の力が伝わらないということが考えられます。
2.ボールに力を伝えるための足の使い方
スイングの軸を安定させるためには体幹や股関節、膝関節が重要ですが、重力を意識すると足の使い方がとても重要であることが分かります。
力の伝達を最適化するための足の使い方には、母指球、小指球、踵の3点を意識する必要があります。
これらは、足のなかでも最も荷重のかかる部位です。
また、ゴルフスイングではリード側(右利きゴルファーの左側)が軸となるため、リード側の母指球、小指球、踵がしっかりと床面を捉えていることが必要不可欠な要素となります。
ここで、床面をしっかり捉えるためには、長腓骨筋と後脛骨筋と筋肉が重要です。
長腓骨筋は足の小指と踵のラインを床から浮かせるようにすると働き、母指球と踵の内側が床に押し付けられるのが分かると思います。
一方、後脛骨筋は足の親指と踵のラインを床から浮かせるようにすると働き、小指球と踵の外側が床に押し付けられるのが分かると思います。
つまり、これらの筋肉を上手く使うことで、3点で床をしっかり捉えることができ、足関節も安定するために床反力から得た力を上手くボールに伝達することができると言えます。
長腓骨筋の鍛え方は小指側を浮かす運動を繰り返すだけですし、後脛骨筋の鍛え方は逆親指側を浮かすだけですので、トレーニングもとても簡単です。
日々のコツコツでゴルフスイングが上達するので、是非お試しください。