ゴルフ初心者は腕の振りだけでスイングをしがちです。

上級者のスイングをみると、両肩を結ぶラインがしっかり回っていて、背中にできる服のシワがその捻転差の大きさを表しています。

背中をみれば体幹と肩甲骨の運動がよく分かります。


1.ゴルフスイングでできる背中のシワ

ゴルフ初心者や、なかなかゴルフが上達しない人のスイングをみると体幹の回旋が少なく、脇が開いて腕で振っているケースが多いです。

また、体幹でクラブを振るように伝えると、今度は腕を固定してぎこちないロボットのようなスイングになってしまいます。

スイングを動画で撮影したり、鏡の前でスイングをしたりして確認する際に、骨盤の向きと両肩を結ぶラインを確認してみてください。

理想的なスイングではテイクバックの際に骨盤が右斜め前方を向き、両肩を結ぶラインはさらに右を向きます。

トップレベルのゴルファーは非常に柔軟で、両肩を結ぶラインが90度になるほど右を向いています。

この際、左側(飛球側)からみると背中が捻れ、服に斜めのシワが寄っていることが分かります。

この骨盤と胸郭の捻転差はX-factorと呼ばれ、ベッドスピードや飛距離の増大と関連しています。

ただし、骨盤と胸郭が体幹の軸内で回旋する必要があり、側屈(体幹を横に倒す)があるときれいなシワになりません。

さらに左右の肩甲骨の可動域も重要です。

肩甲骨の可動域が大きい人ほど、この斜めのシワはくっきりと表れます。

ゴルフの上達には、この背中のシワを美しくすることにヒントがあると言えます。


2.背中のシワを美しく作るためには

この背中にできる服のシワを美しく作るためには骨盤と胸郭の捻転差がとても重要です。

これは体幹の回旋運動になりますが、厳密には胸椎椎間関節(背骨の胸の高さの部分)、胸鎖関節(胸骨と鎖骨の関節)、肩甲胸郭関節(肋骨と肩甲骨の間)の運動です。

胸椎椎間関節は背骨を捻る純粋な体幹回旋を作る関節です。

胸鎖関節と肩甲胸郭関節は体幹に対して鎖骨と肩甲骨を前方や後方に動かすのに重要です。

頭よりも肩を前に出したり(プロトラクション)、後ろに下げたり(リトラクション)できます。

このプロトラクションとリトラクションを組み合わせた運動も体幹の回旋とみなされます。

例えばテイクバックでは、左側はプロトラクション、右側はリトラクションしています。

これにより、骨盤と両肩を結ぶラインはより捻れることができます。

一方、フォローは左側がリトラクション、右側がプロトラクションします。

この体幹の複合的な回旋運動が上手くできるようになると、背中にできる服のシワが美しくできます。

肩甲骨の運動こそ、ゴルフスイング上達のコツと言えます。