スポーツ科学や医療工学の分野ではモーションキャプチャーと言われる三次元動作解析装置が用いられます。
モーションキャプチャーにより、各関節の三次元の位置変化がミリ単位でわかるようになりました。
ゴルフスイングの解析も行われており、プロとアマチュアのスイングの特徴が報告されています。
1. ゴルフスイングと三次元動作解析装置
時代の流れは早いもので、一昔前までは、スポーツのスキルを高めるためには上手な人のプレーを直接目でみて技を盗んでいました。
次第に連続写真やスーパースローの映像など、詳細な情報が得られるようになりました。
現在では、モーションキャプチャーと言われる三次元動作解析装置を用いて、どんなに速い動作でもミリ単位で三次元の各関節の位置変化を捉えられるようになりました。
一般的なモーションキャプチャーは6台の赤外線カメラを用います。
動作を行う人は皮膚に直接、または水着などの上に反射マーカーと呼ばれるものを貼り付け、決められた運動を行います。
ゴルフスイングも多く研究されており、プロとアマチュアではどの関節が、どのタイミングで、どれだけ違うのかということが分かります。
これを使えば、ゴルフスイングの細かな修正も可能となり、上達も容易となるでしょう。
ただし、一部の研究機関にしかなく、かなり高額な装置ですので一般的ではありません。
2.一般のビデオカメラを用いた解析
当然詳細な情報ほど修正は簡単ですが、一般的にはビデオカメラを用いた解析でもゴルフスイングの上達には十分に効果的といえます。
三次元解析の場合はX軸、Y軸、Z軸の座標情報を読み取りますが、ビデオカメラの場合は二次元でX軸とY軸の座標情報しかわかりません。
そのため正面(プレイヤーの前)と後方(プレイヤーの右側)にカメラを設置します。
1台しかない場合は、それぞれ別々に撮影しても構いません。
ゴルフスイングは最低でも10回は行い、再現性と異常な動作を確認します。
アドレス、テイクバック、トップ、ダウンスイング、インパクト、フォロースルー、フィニッシュの各相に分け、それぞれの形をトッププロと比較します。
また、連続的に再生してリズムや音などを確認すると効果的です。
すべての相において気を付けるべき特徴がありますが、特にプロとの違いが明確に分かるのがダウンスイングです。
アマチュアの方に多いのはアーリーリリースといわれる現象で、ダウンスイングでクラブヘッドが垂れてしまいます。
プロは手の位置の方がクラブヘッドよりも低い位置まで下げることができています。
このアーリーリリースを修正すると、ずいぶんゴルフスイングが上達するかと思います。
このようにして、モーションキャプチャーがなくても高い解析結果を出きるので、ビデオカメラを用いた解析はとてもオススメです。