トップで活躍するプロゴルファーの肩甲骨の柔軟性がメディアで取り上げられるようになり、ゴルフスイングに肩甲骨の可動域がとても重要なことが周知されるようになってきました。

肩甲骨が背中にある三角形の骨だということは良く知られていますが、肩甲骨がどの骨と関節していて、どのように動けば良いのかということはあまり知られていません。

今回は肩甲骨の関節と、ゴルフスイングにはどのような運動が必要なのかを説明します。


1.肩関節の構成要素の含まれる肩甲骨

ゴルフスイングには肩甲骨の運動がとても重要であることが、メディアでもささやかれるようになりました。

ゴルフスイングの上達には肩甲骨の理解が不可欠です。

肩甲骨は肩関節を構成するうえでも、とても重要な役割を担う骨です。

肩関節は人体中最も可動域の広い関節で、様々な関節運動を行うことが可能です。

肩関節は胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲胸郭関節、第二肩関節、肩甲上腕関節(第一肩関節)と5つの関節を合わせた関節で、このうち、鎖骨と胸骨で構成される胸鎖関節以外はすべて肩甲骨が関与しています。

また、肩甲骨、鎖骨、腕を合わせて上肢帯といいますが、この部分は胸鎖関節だけが体幹と関節していて、肋骨にかぶさっているような状態です。

肩をすくめるような運動をすると、肋骨から上肢帯が浮かせたようなイメージになります。

上肢帯の前面は鎖骨、後面は肩甲骨が肋骨に引っかかるような形状で、肩甲骨が無ければ構造的にも前方に落ちてしまうことが想像できます。

鎖骨とは違い、肩甲骨は筋肉によってあらゆる方向に引っ張られて、その位置を保持しています。

肩甲骨と肋骨で構成された胸郭との関節を肩甲胸郭関節といいますが、これは便宜上の関節で、関節を構成する軟骨や関節包という組織が存在するわけではありません。

そのため、肩甲骨は胸郭の上を滑るようにして動きます。


2. ゴルフスイングに必要な肩甲骨の動き

ゴルフスイングに必要な肩甲胸郭関節の運動はプロトラクションとリトラクションです。

プロトラクションは肩全体を前方に突き出すような運動で、リトラクションは肩甲骨同士を寄せるように肩全体と後方に引くような運動です。

ゴルフスイングのテイクバックでは左肩甲骨がプロトラクション、右肩甲骨がリトラクションします。

フォロースルーでは右肩甲骨がプロトラクション、左肩甲骨がリトラクションします。

よく体幹を捻じってスイングするように指導されますが、体幹の回旋の半分は背骨の関節が担い、もう半分はこの肩甲骨の運動です。

トッププロのゴルフスイングではアドレス時の両肩を結んだラインと、トップ時の両肩を結んだラインが90°程度回旋して見えますが、背骨の回旋に加えて、左肩甲骨のプロトラクション、右肩甲骨のリトラクションが加わった可動域になります。

背骨を無理に捻じるのではなく、肩甲骨の可動域を増やすことで、腰を痛めずに大きなスイングアークができ、飛距離の増大が望めます。

肩甲骨周囲のストレッチをコツコツ行ってゴルフの上達を目指しましょう。