ゴルフに限ったことではありませんが、各スポーツにおける動作はずいぶん科学的に検証されています。
飛距離をのばすためにはクラブヘッドスピードの増大が必要不可欠ですが、どのようなトレーニングをすれば速く振れるようになるのかは、過去の研究をレビューすると分かります。
今回は、ゴルフスイングに必要な筋肉を抽出し、簡単に行えるエクササイズを紹介します。
1.ゴルフスイングに必要な筋肉
ゴルフはスコアを競うスポーツですが、飛距離とスコアには相関があるため、飛距離を伸ばすことがゴルフの上達につながるということは明らかです。
ただし、初心者であれば劇的に伸びる可能性がありますが、何年もゴルフをやってきた人が30ヤードも伸ばすというなら相当の努力が必要と考えられます。
ドライバーの場合、ヘッドスピードが1m/s上がれば約6ヤード伸びますから、30ヤード伸ばすには約5m/s速くする必要があるわけです。
練習場で一生懸命フルスイングを繰り返すより、必要な筋力を鍛えたほうが効果的といえます。
エリートゴルファーとアベレージゴルファーのゴルフスイングはよく比較されており、フィジカルパフォーマンスの差が如実に表れています。
ヘッドスピードをより増大させたいのであれば、下半身と体幹の筋肉を鍛えることが必須といえますが、最近の研究では肘を曲げる筋肉が必要であることも分かっています。
こうなると全身のような気もしますが、体幹のインナーマッスルから順に鍛えることをオススメします。
なぜなら、体幹が安定しない状態では、下半身や腕の筋肉も上手く鍛えることができないからです。
まずは土台となる体幹の強化から始め、体幹と四肢の連動性を高めると効果的です。
さらに体幹の中でもインナーマッスルである腹横筋や多裂筋から順番に、体幹のアウターマッスルトレーニング、下半身トレーニング、上半身トレーニングとしていくとゴルフスイングの上達が図れます。
2.効果的なトレーニング
ゴルフスイングに必要な筋肉として、体幹のインナーマッスルを鍛えるドローインというエクササイズがあります。
やり方は簡単で、ベルトの中に手が入るようにお腹を凹ませ30秒キープします。
この時、呼吸は通常通り行います。
次に体幹のアウターマッスルですが、腹直筋、腹斜筋群、脊柱起立筋、広背筋、大胸筋を鍛えるプランクというエクササイズです。
やり方は、腕立て伏せの姿勢になり、両前腕部(肘から手首)を床面につけ、30秒キープします。
この時、腰が反らないように注意してください。
次に下半身の筋肉である、腸腰筋、大殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋を鍛えるスクワットジャンプです。
やり方は、天井に両手が届くように垂直跳びを行い、今度は床に手をつけるように着地します。
これを休まずに10回繰り返します。
最後に上半身の筋肉である、上腕二頭筋、上腕三頭筋、広背筋、大胸筋を鍛えるワイドプッシュアップです。
腕立て伏せの姿勢から、手の位置が肘よりも遠くになるように腕を広げます。
その状態で10回腕立て伏せを行います。
通常、プッシュアップでは上腕二頭筋を刺激しにくいですが、肘よりも遠くに手を置くことで刺激しやすくなります。
どれも簡単かつ効果的なトレーニングです。
コツコツと習慣化してゴルフの上達を目指しましょう。