ゴルフスイングではよく腰を切るという言葉を使いますが、これは骨盤の回旋を意味します。
骨盤の回旋はおしりをみるとよく分かります。
おしりには大臀筋、中臀筋、小臀筋があり、これらが骨盤の回旋の鍵を握ります。
1. おしりを正しく使ったゴルフスイング
おしりを使うというと変な感じがしますが、皆さんも確実におしりを使っています。
ゴルフに限らず、おしり無しには日常生活もままなりません。
ただし、ゴルフ初心者においてはおしりを正しく使えている人はほとんどいません。
ゴルフを始めるまでに野球やホッケーなどの競技を経験してきた方は比較的上手く使えるかもしれません。
おしりの正しい使い方とは股関節の回旋を意味します。
なぜなら、股関節の回旋の主動作筋はおしりにある大臀筋、中臀筋、小臀筋の3つだからです。
骨盤のスウェーや重心が右に残るミスの原因には、これらの筋肉が関係しています。
大臀筋は股関節の外旋(外側に回す運動)と伸展(脚を後方に下げる運動)を担います。
小臀筋は股関節の内旋(内側に回す運動)を担います。
中臀筋は外旋にも内旋にも働き、さらに外転(脚を横に広げる運動)を担います。
ゴルフスイングには腰を切る動作、すなわち股関節の回旋が要になりますから、これらの筋肉を意識して使うことが上達のポイントになるといえます。
2.ゴルフスイングのおしりの動き
どのようにしておしりを意識するのか、それはトッププロのゴルフスイングを参考にすると良いでしょう。
まず、テイクバックをみてみると右の股関節は棒を挟めるぐらいしっかり折れている一方、左は正面からおしりが見えています。
この形を作るには、左の大臀筋、右の小臀筋と中臀筋が重要です。
右中臀筋が働かないと、骨盤が右にスウェーしてしまい、左大臀筋が働かないと重心が右に移動してしまいます。
次にインパクトからフォロースルーにかけてみると、今度は左の股関節がしっかり内旋しながら折れていて、右のおしりが少し見えます。
ここでは左小臀筋と中臀筋がとても重要で、右大臀筋はあまり緊張させないように注意が必要です。
中臀筋は脚を広げる作用ですが、床面に足が固定されている場合には反対側の骨盤を挙上、同側の骨盤を引き下げる働きがあります。
つまり、骨盤のスウェーを予防し、小臀筋による回旋をアシストするのです。
鍛え方も簡単で、例えば左中臀筋を鍛えたい場合は、立った状態で右の骨盤を繰り返し引き上げるだけです。
同時に体幹を回旋させる腹斜筋も鍛えられるのでゴルフ上達には効果的なトレーニングといえます。