ゴルフスイングのヘッドスピードについては既に多くの研究が実施されていて、どのようなトレーニングがヘッドスピードを改善させるのに効果的なのかも分かってきました。
握力、骨盤と胸郭の捻転差であるX-factor、スクワットジャンプ、座った状態でのボールスロー、手の軌道、コアマッスルなどはヘッドスピードとの関連性がみられます。
今回はヘッドスピードを高めるために行うべきエクササイズを紹介いたします。
1.ゴルフスイングのヘッドスピードと身体的特性
ゴルフスイングのヘッドスピードに関してはずいぶん前から研究が進んでいます。
ハンディキャップとヘッドスピードに相関があり、ハンディキャップの少ない上手な人はヘッドスピードが速いことから、次々と研究が行われています。
例えば、握力の強い人、骨盤と胸郭(肋骨、胸椎、胸郭を合わせた部分)の捻転差であるX-factorが大きい人、スクワットジャンプで高く跳べる人、座った状態で遠くまでメディシンボールを投げられる人はヘッドスピードが速いということが分かっています。
握力は全身の筋力を反映すると言われています。
体幹をはじめ、全身を鍛えている人は握力が強いので、これは間違いないと言えますね。
次にX-factorですが、プロゴルファーのように柔軟な体幹があれば、軸回転での角速度を速めることができます。
また、体幹回旋速度が速くなると体幹軸の高い安定性が求められるため、体幹のコアマッスルも強いことがうかがえます。
次にスクワットジャンプですが、下半身の筋力、特に瞬発力に関係する筋力が重要といえます。
ジャンプ動作に必要な下肢筋は、腸腰筋(股関節を曲げる)、大殿筋(股関節を伸ばす)、大腿四頭筋(膝を伸ばす)、ハムストリングス(膝を曲げる)、下腿三頭筋(足首を曲げる)です。
ダウンスイング初期には左足の強い踏み込みがありますが、ここで床反力を体幹に伝えるのがこれらの下半身の筋力といえます。
次に、メディシンボールを投げる力ですが、これは腹斜筋や広背筋などの体幹を回旋させる筋力と、大胸筋や上腕二頭筋などの腕の振りに関する筋力が関係しています。
これらを踏まえてゴルフ上達のために鍛えましょう。
2.ヘッドスピードを上げる効果的なトレーニング
どのような身体的な特性が必要なのかが分かれば、これらを鍛えることができればヘッドスピードは上がってくることが期待できます。
まずは体幹のコアマッスルですが、ドローインというエクササイズが効果的です。
これは単純にお腹を凹ませるだけです。
例えば、今巻いているベルトに拳がひとつ入るようにお腹を凹ませ、30秒キープします。
次に体幹のアウターマッスルですが、これはプランクというエクササイズが安全かつ効果的です。
腕立て伏せの姿勢になり、手と肘を床につけ、腰が反らないように30秒キープします。
正面だけでなく、身体を横にすることでより効果的に体幹を鍛えることができます。
次に下半身の筋肉です。
これはスクワットジャンプを繰り返します。
天井に手が届くように両手を上に伸ばしてジャンプして、着地では床に手をつけます。
休まず連続で10回ジャンプします。
最後に腕の筋肉ですが、腕の間隔を広くした腕立て伏せが効果的です。
両手の間隔が両肘の間隔よりも広くなるようにすることがポイントで、10回繰り返します。
このようにして、コツコツと鍛えることによりヘッドスピードが速くなり、ゴルフが上達することが期待できます。